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出前講義「海洋エネルギー」のレポート

出前講義「海洋エネルギー」のレポート

2012年2月29日 記 : ITCクラブ会員 小松 祐輔

「海洋エネルギー」をテーマとした出前講義のレポートを以下の通りにまとめさせて頂きました。

  • 日時
    : 平成24年2月23日(木) 13:30~15:00
  • 場所
    : 視聴覚教室
  • 講演者
    : 東京大学 大学院 新領域創成科学研究科 環境システム学専攻 影本 浩教授
  • 講義題名
    : 『海洋エネルギー』について

講義内容

我が国日本は、電気大量消費大国である。その中で、新エネルギーという言葉がある。風力・太陽光、など、再生可能なクリーンなエネルギーを使用する。技術的には実用レベルに達しているが、コスト面等の課題があり、現在研究開発されているエネルギーである。その新エネルギーの中で新たに着目されているのが、『海洋エネルギーの利用』である。その考え方は、『無限の海を資源にする』事であり人類にとって大きなプロジェクトである。現在、新たな電力発生の資源として日々研究開発が進んでいる。

波浪・潮流・海流・潮汐・塩分濃度差のエネルギー・海洋温度差のエネルギー どれもクリーンなエネルギーである。しかし現在の技術力だと、そのエネルギーを取り出す効率が悪く、またコストも高くなることもあり、日本では研究が滞っている節がある。また、自然エネルギーを利用する場合の共通の欠点として、取り出されたエネルギーに時間的変動がある事が、問題点としてあげられている。風や太陽を含めて、一定に吹いているわけでも、照射しているわけでないことが時間的変動の原因であり、このように時間的に変動する電力をそのまま既設の送電線に導入することには多くの問題がある。

しかし例外もある。その一つが海洋温度差を利用する方法である。海水の温度は、表層部分は、夏季には24℃程で一定になり、深層水は季節によらず4℃で一定であり、他の海洋エネルギーとは異なり時間的変動が小さい。この表層水と深層水の温度差を利用した発電方法が、注目されている。特に海水温が深さ方向に急激に低下する島根県浜田沖や富山湾などは、海洋温度差発電の適地である。この方法の大きな課題の一つとしては、深海水をくみ上げる長い管が必要なことであり、長ければ長いほど折れやすくなってしまうのが、難点である。

また、海流を利用する方法もある。黒潮などの大きな海流がある所に、発電機を設置してタービンを回す方式である。しかし、海流の力が大きいため、発電装置が流されないようにする工夫も必要だと話された。

考察

我が国では現在、海洋エネルギーについて、遅れをとっている事が分かった。EU諸国では、すでに実用化されている。我が国も、広い海に囲まれている海洋国家であるので、技術が進んでいるEU諸国に、追い付き追い越せるように、日々の努力が大切であると、感じる事が出来た。

最後になりますが、私達に講義を実施して頂き、有難う御座いました。自分自身の将来について、考える大切さを学びました。

以上