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ITCクラブ室
化石から失われた世界を想像しよう

化石から失われた世界を想像しよう

2012年05月25日 記 : ITCクラブ専門指導員 鈴木 朗

太古の地上と海中には、現代では考えられない生物が存在していました。今、その世界を見ることはできませんが、国立科学博物館には地球が残してくれた痕跡が記録されています。化石を通して、太古の生物を思い描いてみました。

  • 日時
    : 平成24年5月20日(日)10:30~11:30
  • 場所
    : 独立行政法人 国立科学博物館 地球館

海の生物の進化を見る

最初に、大繁栄したと言われる三葉虫とその仲間を見学しました。 当時は東京の人混みのように、海中にひしめいていたそうです。 節足動物のご先祖様で、その後、私達に馴染み深い食材に進化した物もいます。

その後、背骨を持った魚類が登場します。 魚類は水中の環境に適応すると共に、あご、骨格の基礎、肺などを進化させました。 それは陸上で生活するための準備にもなりました。とても良く出来たシナリオのようです。

▲ 三葉虫(左) と ダンクルオステウス(右) 獰猛な歯は何を噛み砕く為に進化したのでしょう? ▲

空を制した恐竜たち

どうやって翼を持つことが出来たのか、進化の過程に興味が沸きます。現代まで繁栄できた鳥類は約25%だと言われていますが、 移動が思いのままに出来た彼等の75%が滅んだことが不思議でした。

もし、人と共存できたなら、エコロジーな交通手段や人命救助に役立ったのではないかと、想像しました。

▲ 約1億年前に生息していた、アンハングエラ・ピスカトルは翼を広げた大きさは約5m。

海に戻った恐竜

陸の生活を捨てて、なぜ海に戻ったのか興味を持ちました。 水中の生活の方が安全だったのか、それとも食べ物が豊富だったのでしょうか?

爬虫類、哺乳類を問わず、同じ環境での生活は同じ姿形に進化するということが不思議でした。 圧倒される大きさは、重力から開放されたせいでしょうか?

▲ 大亀のアーケロン・イスチイロス(左) と バシロサウルス・ケトイデス。体長20m、大き過ぎて写真に収まりません▲

見所、地上最強の大型肉食獣を見る

史上最大最強の肉食動物と言われるティラノサウルスを見学しました。 化石の前に立つと、死しても尚残る迫力に圧倒されました。 他の恐竜の化石と見比べてください。違いは一目瞭然です。 何故ここまで捕食を有利に行うために進化できたのかが不思議でした。

もし、何処かでティラノサウルスにばったり出会ったらどうしよう?どうやって逃げよう? 化石の前でそんな事を考えました。頭の中から「無理だ」と答えが返って来ましたが、皆さんならどうしますか?

▲ 「暴君トカゲ」の名前の通り、迫力満点のティラノサウルス

感想

国立科学博物館は、ゆとりあるスペースを効果的に使ったレイアウトで恐竜の姿を見せてくれます。等身大の化石と向き合うことで、タイムスリップしたような感覚があり、書物やインターネットで得られるイメージとは大きく異なりました。 頭の中で思い描く事ができて、楽しい一時を過ごしました。

以上